今回は以前にホームページよりお申し込み頂いた『猫喫茶 猫の箱』の事例を、打ち合わせ段階から完成までの流れを紹介いたします。
お客さまと私がはじめてお会いしたときのお話から。
「ネコカフェ」をやりたいんです。
と、いうのがお客様が希望された内容でした。
しかし、ネコカフェとはどういうモノですか?
と具体的に話していき、コンセプトは「癒しの喫茶店」をやりたい。と。
イメージをするなら、
ネコを何匹かカフェのほうに自由にいる状態にして
お客さんがそこにきてネコと会話すると。
そういうお店をやりたい。と聞きました。
お客さまにはが以前に4〜5件見ておられ、
イメージがあるとのことですので、それを聞いて設計・デザインをはじめました。。
住所:大阪市淀川区西中島4-6-4
客席数:25人
スペース:1階
床面積:132u(40坪)
従業員:3名
物件の広さは?
ちょうど空き物件でした。広さを見ると結構広く、だいだい40坪くらいのスペース。最初に予算を聞くと1000万円!ということで、聞いたんですけども「40坪で1坪あたり30万円でも1200万円かかりますね。」という話をしたところ、オーナーさまは最低でも1200万円はいるんだと感じて頂き、私の言葉から1200万円くらいで計画しないといけないと思ったみたいです。
ところが1坪30万円とは決して高い金額ではないんです。。厨房も入れて、エアコンもいる・・
現状であるもので、使えるモノ使おうかという話にはなったんですが、エアコンも入れないといけないし、厨房器具もいると。そんな中で、どうしたら1200万円でできるか?
当初は、かなりしんどいだろうな、と思っていました。その中で方法としたら、厨房器具は中古を使おうと。
そして什器。什器というのは、カウンターとかテーブルとか化粧棚とか、それから木製建具、木製サッシ。これらすべてを現場で手作りをしたら。という提案をしました。
そしたら、やっぱり、はじめはお客さんは不安がっていたんです。
「まず手作りってなんですか?」という質問があって、その説明を下記のようにしました。
本来は木工所で作ってきたモノを現場で組み立てるというのが普通なんですよ。棚板でも、カウンターの天板でも、建具でも、サッシでも。それを予算がないんであれば、現場で大工さんで作ったほうが、4〜5割は安くつくと。現場で作った10万円だとすると、工場で作ると15〜18万円くらいすることになると。現場で大工さんで作ると工場経費もないし、工場加工費と工場利益もいらないから現場で職人につくらせてもらったほうがだいぶ値段が圧縮できる。
オーナーさまより、現場で作って「どれくらいの違いがあるんですか?」と質問。ということを聞かれたので、ちょっと言葉では説明しにくかったんですが、このように答えしました。
まず、見た目は一般の方には違いがわからないです。ただし、よーく見たら、見比べたら、あぁなるほどなっと。ですが、現場手作りはここが初めてではないですから、ということもお伝えしました。もう、過去に何軒もやってるから職人たちも自信を持っているんです。写真を見てもらうとわかると思いますが、かなりのよい出来ばえで、このお店に来るお客さんにもほめて頂いてるそうです。
それと、塗装屋の職人も入れない。どういう事かというと、今回の現場を担当する職人ですべてこなすという方法を採用。(※もちろん塗装経験があって一人前にできる職人さんですから) なぜかというと、職種が増えると人数も増え、それだけ経費が上がって割高になっていくんです。ですから、1人が左官もし、大工もし、家具も作りと、そういうメンバーを集めてやれば安くできるんではと・・・。
このような説明をオーナーさんにして見積りを算出。ちょっと予算オーバーになったんですが、
そこもなんとか企業努力?で予算内に納めてスタートということになりました。
結果は、今までのなかでもかなりの良い仕上がりになっています。このような経緯で1200万円という数字が実現できました。ポイントは何が一番お金がかかるか?を考え、そこをどうやって下げるかにつなげる。
カウンターなどの什器を現場で作る。職人さんの職種の数を減らす。ただしコレをやろうとするとしっかりした技術屋が必要なんです。
なぜなら、大工さんに塗装を任せても、色の調合・色合わせもできない。何をどのようにすればいいのかという技術指導できる人間がいないといけない。こういったことが、今回の現場が出来上がった結果かなと感じています。オーナーさんにもとっても気に入って頂いて、私個人的に見て、自分で言ってしまいますが、やっぱり安い!!普通は1200万円ではちょっと、1600万円。と言ってもおかしくないです。
ただし、工期が普通より20日間多くかかりました。それは現場で家具を作った日数です。35日くらいでできるところ、家具を作る日数をプラスして55日くらいかかった。
今回の場合、その間にねこちゃんの研修などがあったので、お客さん側からしても抵抗なかったとのことです。たとえば、物件の家賃が20万円として発生しても1600万か1200万か、どっちとるか?ですね。
最後に厨房機器を揃えた時のお話。
価格を抑えるためにお客さんと一緒に中古の厨房機器を一緒に買いに。方法は、インターネットと近くの中古の厨房機器を売っているところで探して、たらない部分をインターネットで購入。購入した主なモノは、冷凍冷蔵庫、台下冷蔵庫、シンク、製氷機ですね。オーナーさんと一緒にお店に行って、図面見ながら適合サイズなどアドバイスしてという流れです。(※間違うと入らないですから。。) ちなみになかったモノはガス台です。ほしいサイズがなかったのでインターネットで購入。